酒種酵母とは・・・
酒種とは、「酒種酵母菌」のことを言い、日本独特の酵母です。日本では古来から日本酒を造る際に使われています。材料は、「米と麹と水」から作られた発酵種です。
「イースト」も「酒種」も同じ酵母の仲間ですが、増殖するための栄養源に違いがあります。イーストは「砂糖」を、酒種は「米」を栄養源とします。
◎麹について・・・
・麹(糀)は、「米、麦、大豆」などの穀物にコウジカビなどの食品発酵に
有効な「麹菌(カビ)」を付着させ、培養したものです。
・主な麹には3種類あり、
①「米麹(甘酒や味噌、日本酒、調味料の「塩麹」)」
②「麦麹(麦味噌や麦焼酎)」
③「豆麹(豆味噌や八丁味噌)」があります。
・麹には「プロテアーゼ」という酵素が含まれおり、タンパク質を
分解します。よって、お肉など柔らかくしたい時にも使います。
・分解されたタンパク質は、「アミノ酸」に変えられます。
「アミノ酸」は、栄養素が高いだけではなく、旨味成分としての
役割も果たすことから、塩麹を料理に使うと素材の食感が
柔らかくなり、かつ、旨味が増します。
◎酒種パンについて・・・
・パンの酵母には、レーズン酵母やルヴァン(小麦粉、ライ麦粉、
水を合わせて作った発酵種)が昔から欧州などで使われているのに
対し、酒種酵母は、日本酒造りにヒントを得た日本独自に
考えられた酵母です。
・あんパンで有名な木村屋さんが考案したパンの酵母です。
・パンを膨らませる酵母菌は、糖分を食べて発酵します。ですが、
酒種の場合、酵母菌のエサとなる糖分が米に十分に含まれて
いないため、麹菌に含まれるアミラーゼが米のでんぷんを
糖分に分解します。
・この糖分を空気中に含まれる酵母菌が食べ、発酵が始まります。
この発酵の際にできる「酵素」のおかげで、甘みのある
耳まで柔らかいパンを作ることができます。
・また、酒種特有の風味のあるパンが焼けるのも特徴の一つです。